社員のモチベーションを上げる2種類の動機付け

子供に宿題やテスト勉強をさせる時に
お小遣いを与えることでやる気を
出させようとしたこと、逆に親に
その様にされた事はありませんか?

1973年、絵を描くことに
強い興味を持っていた子供たちに、
報酬を与えるという実験が行われました。

その実験では事前に絵を描けば
報酬がもらえることを教えられ、
報酬を貰えるグループA
そのことを知らされずに
絵を描いた後に報酬を貰えるグループBに分け、

その後の絵を描くことへの
モチベーションの変化を観察しました。

すると、

グループAの子供たちグループBの子供たちよりも
たくさんの絵を雑に描きましたが、しばらくすると
自発的に絵を描くことをしなくなりました。

この実験から何が分かるのでしょうか?

最初、子供たちは絵を描くことに興味があり、
自発的に動機づけされている状態だったと考えられます。
(この自発的に物事を行う時の動機付けを内発的動機付けと言います。)

そして、

子供たちに報酬を与えると伝えることで、
より一生懸命絵を描くと思われますが、
実際は結果としてモチベーションが下がる
という逆の効果に繋がりました。

このことから報酬を与えるという
外からの動機付け(外発的動機付け)が
内発的動機付けを低下させる

つまり、

やる気のある子供に、報酬をむやみに
与えてしまうと報酬を貰う事が目的になり、
やる気の低下に繋がったと考えられます。

実は、

この様な事は、家庭の中だけではなく
一般社会でも多く見られる問題です。

例えば、

企業において使命感などの内発的に動機付けされた社員
給料などの外発的要因で動機付けされた社員
モチベーションの違いなどが考えられます。

日々の仕事がつまらないと感じている方などは、
外からの要因が動機付けになっているかもしれません。

このことを考える上で、金銭的報酬が
内発的動機付けに与える影響を調べた
実験がありました。

その実験では、金銭的報酬社会的報酬(褒める)
無報酬の各条件下で一般の方々にパズルの課題を解いてもらい、
課題終了後の自由時間中にどれくらいの間パズルを解くかを観察しました。

この実験では、自由時間にパズルを長時間行なうほど
パズルに対して自発的に動機付けされていることになります。

そして、

最も時間が短かった条件が金銭的報酬を与えた時であり、
内発的動機付けも最も低かったと考えられます。

つまり、

内発的動機づけを高めるには、金銭的報酬を与えるよりも
報酬を与えない方が良い場合があるということです。

このことは、仕事よりも趣味に熱中している方を見るとよくわかりますよね。

例えば、

寒い中列車が来るのを長い間待ち構えて写真を撮っている方や
韓流スターを追いかけている方などは、外からは何も貰わず
内発的に動機付けされている良い例だと思います。

このような趣味に熱中している方に、
もし、金銭的な報酬を与えてみると、
モチベーションに変化があるのでしょうか?

やってみないと分かりませんが、趣味が仕事になると
一気にモチベーションが下がることがあるように、
列車や韓流スターに対する情熱が冷めてしまうかもしれませんね(笑)。

ここまで考えてきたことは、内発的に動機付けされている状態でも、
外から動機付けの要因(特に金銭的報酬)を与えると結果的に
やる気がなくなることがあるということでした。

しかし、

外発的動機づけを否定している訳ではありません。

子供や社員がどうしてもやる気が出ない時には、
外発的動機づけを上手く使うことが必要になってきます。

そこで、次回は、

人はなぜパチンコにはまってしまうのか?
というところから外発的動機付けをどの様に
利用したら良いかを考えていきます。

 

 

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